2014年10月24日金曜日

【衛生】食中毒と原因菌・ウイルス

2015年2月28日までの日数:127日
第100回薬剤師国家試験まであと127日

最近やってる科目が衛生に偏ってるけどどうしてもしょうがないかな…。テストあるし。

食中毒と原因菌・ウイルス

2007〜2011年の合計では細菌性食中毒発生件数ベスト5は下記の通り
  1. カンピロバクター
  2. サルモネラ属菌
  3. ぶどう球菌
  4. ウェルシュ菌
  5. 腸管出血性大腸菌(VT産生)
患者数では
  1. サルモネラ属菌
  2. カンピロバクター
  3. ウェルシュ菌
  4. ぶどう球菌
  5. その他の病原大腸菌
ちなみに細菌性食中毒は夏季(6〜10月)に多く発生してる。ウイルス性食中毒は冬季(12〜3月)に多い
更にいうと全食中毒の患者の半数近くはノロウイルスによるものなので、冬はノロウイルスに気をつけろ!

微生物毒素

内毒素と外毒素に分類されていて、グラム陰性菌の細胞壁の構成成分(LPS)が内毒素、細菌が産生して放出する毒素が外毒素。
外毒素はさらに
  1. 神経毒:ボツリヌストキシン。ボツリヌス菌など。
  2. 細胞毒:ベロトキシン。腸管出血性大腸菌など。
  3. 腸管毒:腸管に作用して嘔吐・下痢を起こす。エンテロトキシン。黄色ブドウ球菌など。
に分けられる。

食中毒

毒素型食中毒

毒素型食中毒(先輩の絵を拝借…)
  • 食品中に含まれる毒素により症状が現れる。
  • 潜伏期間は短い。
  • 黄色ブドウ球菌ボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型)など。

感染型食中毒(感染侵入型)

感染侵入型食中毒(先輩の絵を拝借…)
  • 細菌が腸組織に侵入する。
  • 毒素産生はしない。
  • サルモネラ属菌カンピロバクターなど。
  • 加熱予防が有効。

感染型食中毒(感染毒素型)

感染毒素型食中毒
  • 細菌が腸内で毒素を産生する。
  • 腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、腸管出血性大腸菌(O111、O157)、セレウス菌(下痢型)など。
  • 加熱予防が有効。

理論問題解いてみる①

第91回 問69
食中毒に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. 腸炎ビブリオは、淡水中で溶菌しやすい。
  2. 食品の加熱処理により、黄色ブドウ球菌による食中毒は予防できる。
  3. ボツリヌス菌による食中毒は、食品を真空包装することによって予防できる。
  4. サルモネラ属菌で汚染されている鶏卵による食中毒が増加している。
まず、腸炎ビブリオってきたら好塩菌(成育に3.5%程度の塩濃度が必要)ってことと、海産魚介類に多く含まれるってことを考える。ちなみに感染毒素型食中毒の原因。予防には加熱や真水での洗浄が有効。調理器具もね!
黄色ブドウ球菌毒素型食中毒で、その毒素は耐熱性エンテロトキシン…ってことはちょっと加熱してもダメってことですね。
ボツリヌス菌芽胞形成菌嫌気性菌ですね。嫌気性菌は酸素がないところでないと増殖できないから、真空はむしろ好都合。増殖しちゃいます。
サルモネラ属菌感染侵入型食中毒の原因。動物の糞尿によって汚染された鶏卵や食肉が原因となることが多いということで、最近増加してるのかはわからないけど、細菌性食中毒の患者数は堂々のトップでした。
正解は 1、4 

理論問題解いてみる②

第85回 問77
次の記述に該当する細菌はどれか。1つ選べ。
グラム陰性菌で、イヌ、ウシ、ニワトリなどの腸管に高率に分布している。家庭ではペットの糞便を介した感染も報告されている。本菌による食中毒では、2〜6日の潜伏期ののち、発熱、吐き気、腹痛などに続き水様性下痢や血便が認められる。食品中では4℃以下でも長期間生存可能であるが、十分加熱調理すれば食中毒は予防できる。
  1. Helicobacter pylori
  2. Vibrio parahaemolyticus
  3. Campylobacter jejuni
  4. enterohemorrhagic Escherichia coli
  5. Clostridium botulinum
1はピロリ菌胃潰瘍などと関連がある恨まれ役。
2はビブリオ好塩菌で魚介類に多く含まれるやつ。
3はカンピロバクター糞便で汚染された食肉(特に鶏肉)から感染する。発生件数ナンバー1!ギラン・バレー症候群が続発することがあるよ。
4は腸管出血性大腸菌、加熱していない牛肉などが感染源、溶血性尿毒症症候群(HUS)に注意。
5はボツリヌス嫌気性で毒素型、毒素は熱に弱い。神経毒
というわけで、正解は 3 

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