2014年10月29日水曜日

【生物】生体防御反応・免疫

2015年2月28日までの日数:122日
第100回薬剤師国家試験まであと122日

いやぁーほんとあっという間に時間が過ぎてく印象が…。
全科目完全にやるのは無理っぽいから確実に取れるところを落とさないようにつめてこ。

■生体防御反応

明日衛生の試験なのでさっくりと問題解くだけ。

■理論問題解いてみる①

第94回 問58
生体防御反応に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 好中球やマクロファージには、抗菌ペプチドが存在する。
  2. 唾液中のβ-アミラーゼは、グラム陰性菌の細胞壁のペプチドグリカンを分解して殺菌効果を示す。
  3. ラクトフェリンは、亜鉛を含むタンパク質であり、ヒトの母乳に大量に含まれ、細菌やウイルスに対して幅広い防御作用を示す。
  4. 急性期タンパク質は、微生物の感染によって血清中で急激に増加する。

ざっとみて、1は疑わしいところがなさそうですね笑
皮膚や気道、消化管の上皮細胞から多種類の抗菌ペプチドを産生しているみたいです。
2はいろいろといじれそうなところがあって違ってそう…。とりあえず、唾液や鼻汁に含まれる細胞壁分解酵素ときたらリゾチームで。特にグラム陽性菌に効果があるみたいです。
ラクトフェリンはフェリンなのでFeですね。
急性期タンパク質の代表的なものはCRPですね。2〜3日で急激に増加します。糖尿病系の指標CPRと混同しないように注意!
というわけで、正解は 1、4 

■理論問題解いてみる②

第92回 問59
自然免疫に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 好中球、マクロファージ、樹状細胞などに発現するToll様受容体(TLR)は、微生物に由来する特徴的な分子構造を認識する。
  2. 樹状細胞は、免疫グロブリンを産生する細胞である。
  3. 補体は、抗原刺激により脾臓でつくられ、血液中に放出される多種類のタンパク質の総称である。
  4. ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、ウイルス感染細胞や癌細胞を攻撃するほかに、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)反応のエフェクター細胞として働く。

Toll様受容体は細菌とかウイルスの構造を認識して免疫反応に関与するらしいです。詳しいメカニズムはよくわかりません…笑
自然免疫すげぇ。
樹状細胞のお仕事は抗原提示ですね。免疫グロブリン産生には関わっていません。
補体は常に肝臓などで合成されてるタンパク質らしいです。「脾臓で」とか「抗原刺激により」とかが違うってことで。
4はちょっと嫌な感じの書き方。「攻撃するほか…」って切らずにつなげてくるからね。
ADCC反応っていうのは、細胞表面に抗体がくっついたところにNK細胞がやってきて攻撃する反応のこと。抗体がGPSみたいにここだよーってマーキングして、「せいやっ!」て攻撃しちゃうんだね。。え?ちょっと違う?細かいことは気にしない!
正解は 1、4 

■理論問題解いてみる③

第86回 問59
補体に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 補体は、抗原抗体複合体に結合することがある。
  2. 補体成分の分解生成物には、アナフィラトキシンと呼ばれているものがある。
  3. 補体成分は、溶血反応や溶菌反応に関与することはない。
  4. 補体は、感染時にのみ血液中に出現するタンパク質である。

補体についてですね。
補体活性化経路の古典的経路では抗原抗体複合体が関与してます。なのでまる。
C5a、C3a、C4aはアナフィラトキシンです。肥満細胞からヒスタミン遊離するやつ。
メモで「ア(a)ナに53」って書いてあったけど意味がちょっとわからない…笑
補体の活性産物に膜侵襲複合体ってやつがいて、そいつらは溶菌とかに関与してます。
C5bとC6〜C9が膜侵襲複合体(MAC)を形成するやつら。細胞膜に穴をあけるよ。
4はさっきも出てきたけど、補体は常に肝臓とかで合成されてますよって話。
正解は 1、2 

■理論問題解いてみる④

第92回 問58
抗体に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. IgMは初回の免疫により分泌される主要な抗体である。
  2. IgEは健常人の血液中で最も濃度の高い抗体である。
  3. IgGとIgMは胎盤を通過できる。
  4. IgAを消化液中で分解から保護する分泌成分は、小腸上皮細胞のポリIg受容体に由来する。

これはさくっと解きたい問題。
IgMは5量体で効率よく抗原を補足できる有能くん。一次免疫応答で重要だよって。IgGが二次応答。
IgEは健常人では最も濃度が低い抗体。IgGが一番高いよ。
胎盤通過できるのはIgGだけ!
IgAの分泌型は二量体。んで、ポリIg受容体にくっついて保護してくれるペプチドをくるくる巻いて出陣する。頼もしいことにこのペプチドは消化酵素に抵抗性。
って感じで、正解は 1、4 

まぁ、なんだかんだで思うのは大学の問題の難しさなんだけどね。国試とか比じゃないと思う。そっちが不安…笑

2014年10月28日火曜日

【衛生】第99回国家試験必須問題

2015年2月28日までの日数:123日
第100回薬剤師国家試験まであと123日

時間は残酷だなぁ…と。
物理必須問題はこちら。化学必須問題はこちら。生物必須問題はこちら

■第99回薬剤師国家試験必須問題

第99回 衛生必須問題 問16

ヒトの必須アミノ酸はどれか。
  1. L-プロリン
  2. L-グルタミン
  3. L-セリン
  4. L-アスパラギン
  5. L-リシン
必須アミノ酸とは、生体内で合成できない(または十分量確保できない)アミノ酸のこと。
バリン、ロイシン、イソロイシン
リシン、メチオニン、トレオニン
フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン
がヒトの必須アミノ酸。
正解は 5 

第99回 衛生必須問題 問17

保存料として使用されている食品添加物はどれか。1つ選べ。
  1. 過酸化水素
  2. ジフェニル
  3. 高度サラシ粉
  4. エリソルビン酸
  5. 安息香酸
過酸化水素と高度サラシ粉は殺菌料。
ジフェニルは防かび剤。
エリソルビン酸は酸化防止剤。
安息香酸は保存料。
正解は 5 

第99回 衛生必須問題 問18

我が国の死亡統計において、1985年以降緩やかな上昇傾向を示している指標はどれか。

  1. 妊産婦死亡率
  2. 周産期死亡率
  3. 乳児死亡率
  4. 粗死亡率
  5. 年齢調整死亡率

粗死亡率は1983年以降、人口高齢化の影響で緩やかに上昇が続いている。
年齢調整死亡率は年齢構成の影響を取り除いた指標で、こちらは改善している。高齢化以外の死亡要因は減ってきてるって。
正解は 4 

第99回 衛生必須問題 問19

「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において二類感染症に指定されているのはどれか。1つ選べ。
  1. 結核
  2. 風疹
  3. ペスト
  4. コレラ
  5. 細菌性赤痢
二類感染症は、「感染力・重篤度・危険性が高く、早急な届出が必要になる」もの。
状況に応じた入院勧告などが行われる。
感染症のゴロから「自分でポケット探す」
・自分(ジフテリア)
・ポ(ポリオ(急性灰白髄炎))
・ケッ(結核)
・ト(鳥インフルエンザ(H5N1型))
・サガス(SARS(重症急性呼吸器症候群))
で結核が正解。
正解は 1 

第99回 衛生必須問題 問20

塩素消毒に強い抵抗性を示す病原体はどれか。
  1. インフルエンザウイルス
  2. レジオネラ属菌
  3. 大腸菌
  4. クリプトスポリジウム
  5. 赤痢菌
クリプトスポリジウムは硬い殻で覆われたオーシストという状態で水中で存在するため塩素消毒に抵抗性を持っているらしい。けど、熱には弱いので煮沸で死滅する。
正解は 4 

第99回 衛生必須問題 問21

「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」によって規制されている第一種特定化学物質はどれか。1つ選べ。
  1. 塩化トリフェニルスズ
  2. トリクロロエチレン
  3. ポリ塩化ビフェニル
  4. ボリ塩化ジベンゾフラン
  5. ボリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン
化審法といったらPCB!PCB=ポリ塩化ビフェニルなので、第一種特定化学物質は3。
4、5は非意図的生成物で化審法の規制対象外。
塩化トリフェニルスズとトリクロロエチレンは第二種特定化学物質に指定されている。
正解は 3 

第99回 衛生必須問題 問22

生体への影響を考慮した電離放射線の実効線量の単位はどれか。
  1. クーロン
  2. グレイ
  3. シーベルト
  4. ベクレル
  5. カンデラ
実効線量も等価線量も単位はSv(シーベルト)!
グレイは吸収線量。ベクレルは放射能。
正解は 3 

第99回 衛生必須問題 問23

水道水の総硬度を測定する試験法はどれか。1つ選べ。

  1. ジエチル-p-フェニレンジアミン法(DPD法)
  2. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法(エリオクロムブラックT法)
  3. インドフェノール法
  4. 硝酸銀滴定法(モール法)
  5. オルトフェナントロリン法
オルトフェナントロリン法って知らなかった!Fe2+の測定に用いる試験法らしいです。
DPD法は残留塩素の測定。
EDTAによる滴定は総硬度の測定。
インドフェノール法はアンモニア態窒素の測定。
硝酸銀滴定法は塩化物イオンの測定。
正解は 2 

第99回 衛生必須問題 問24

自然大気に占める体積比(%)の大きさの順序を正しく表示しているのはどれか。1つ選べ。

  1. 二酸化炭素 > メタン > アルゴン
  2. 二酸化炭素 > アルゴン > メタン
  3. メタン > 二酸化炭素 > アルゴン
  4. アルゴン > 二酸化炭素 > メタン
  5. アルゴン > メタン > 二酸化炭素

アルゴンって二酸化炭素より多いんだよね。ついつい間違えそうになる。
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約1%)、二酸化炭素(約0.05%)、メタン(約0.00015%)。
正解は 4 

第99回 衛生必須問題 問25

シロアリ駆除剤として建材に用いられ、シックハウス症候群の原因物質の1つとされた化学物質はどれか。1つ選べ。

  1. パラジクロロベンゼン
  2. フタル酸ジ-n-ブチル
  3. アセトアルデヒド
  4. ホルムアルデヒド
  5. クロルピリホス

このなかでシロアリ駆除剤はクロルピリホスのみ。
アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドは接着剤。
フタル酸ジブチルは可塑剤。
パラジクロロベンゼンは防虫剤。
というわけで、正解は 5 

衛生系の分野って範囲広いし、覚えること多くて、しかも知らないと解けない問題が多いように思う…。問題をたくさんやるしかないかな!衛生はとにかくやる!

2014年10月27日月曜日

【衛生】感染症分類のゴロ

感染症法による分類

一類感染症

感染力・重篤度・危険性が極めて高く、早急な届出が必要になるもの。(全数報告対象)
(1)エボラ出血熱
(2)クリミア・コンゴ出血熱
(3)痘そう
(4)南米出血熱
(5)ペスト
(6)マールブルグ病
(7)ラッサ熱
(参考:厚生労働省HP
一類感染症は出血熱や痘瘡など。
SARSが含まれているゴロもあったけど、2007年改正で削除されているみたいだったので、ゴロも該当部分を削除しちゃいました。

語呂合わせ(参考:衛生学・病理学語呂あわせ集

「マクラへ納豆ぺっ!」
マ(マールブルグ病)
ク(クリミア・コンゴ出血熱)ラ(ラッサ熱)
へ(エボラ出血熱)
納(南米出血熱)
豆(痘瘡(天然痘))
ぺ(ペスト(黒死病))

「くるまをえらべ」
く(クリミア・コンゴ出血熱)
ま(マールブルグ病)
え(エボラ出血熱)
ら(ラッサ熱)
べ(ペスト(黒死病))

「一番エラくまっさらなペットはクマ」
一番(一類感染症)
エ(エボラ出血熱)
ラ(ラッサ熱)
ま(マールブルグ病)
ぺ(ペスト)
ト(痘瘡(天然痘))
ク(クリミア・コンゴ出血熱)

「南米の天然枕ネズミにボラれた」
南米(南米出血熱)
天然(天然痘(痘瘡))
マ(マールブルグ病)
ク(クリミア・コンゴ出血熱)
ラ(ラッサ熱)
ネズミ(ペスト(黒死病))
ボラ(エボラ出血熱)

二類感染症

感染力・重篤度・危険性が高く、早急な届出が必要になるもの。(全数報告対象)
(1)急性灰白髄炎
(2)結核
(3)ジフテリア
(4)重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る)
(5)鳥インフルエンザ(H5N1)
(参考:厚生労働省HP

SARS・結核が新たに加わっているようです。
腸管感染症(コレラ、細菌性赤痢、腸チフスおよびパラチフス)は三類に移行したみたいなので、使えるゴロはかなり変わっちゃいましたね。

語呂合わせ(参考:衛生学・病理学語呂あわせ集

「恋する兄さん時差ボケ」
恋(鳥インフルエンザ(H5N1型))
さ(SARS(重症急性呼吸器症候群))
時(ジフテリア)
ポ(ポリオ(急性灰白髄炎))
ケ(結核)

「自分でポケット探す」
自分(ジフテリア)
ポ(ポリオ(急性灰白髄炎))
ケッ(結核)
ト(鳥インフルエンザ(H5N1型))
サガス(SARS(重症急性呼吸器症候群))

三類感染症

感染力・重篤度・危険性は高くは無いものの、集団発生を起こす可能性が高い為、早急な届出が必要になるもの。(全数報告対象)
(1)コレラ
(2)細菌性赤痢
(3)腸管出血性大腸菌感染症
(4)腸チフス
(5)パラチフス
(参考:厚生労働省HP

語呂合わせ(参考:衛生学・病理学語呂あわせ集

「オー、パチンコ赤」
オー(O-157、腸管出血性大腸菌)
パ(パラチフス)
チ(腸チフス)
コ(コレラ)
赤(細菌性赤痢)

「パチンコ最近大出血」
パ(パラチフス)
チ(腸チフス)
コ(コレラ)
最近(細菌性赤痢)
大出血(腸管出血性大腸菌)

2014年10月24日金曜日

【衛生】食中毒と原因菌・ウイルス

2015年2月28日までの日数:127日
第100回薬剤師国家試験まであと127日

最近やってる科目が衛生に偏ってるけどどうしてもしょうがないかな…。テストあるし。

食中毒と原因菌・ウイルス

2007〜2011年の合計では細菌性食中毒発生件数ベスト5は下記の通り
  1. カンピロバクター
  2. サルモネラ属菌
  3. ぶどう球菌
  4. ウェルシュ菌
  5. 腸管出血性大腸菌(VT産生)
患者数では
  1. サルモネラ属菌
  2. カンピロバクター
  3. ウェルシュ菌
  4. ぶどう球菌
  5. その他の病原大腸菌
ちなみに細菌性食中毒は夏季(6〜10月)に多く発生してる。ウイルス性食中毒は冬季(12〜3月)に多い
更にいうと全食中毒の患者の半数近くはノロウイルスによるものなので、冬はノロウイルスに気をつけろ!

微生物毒素

内毒素と外毒素に分類されていて、グラム陰性菌の細胞壁の構成成分(LPS)が内毒素、細菌が産生して放出する毒素が外毒素。
外毒素はさらに
  1. 神経毒:ボツリヌストキシン。ボツリヌス菌など。
  2. 細胞毒:ベロトキシン。腸管出血性大腸菌など。
  3. 腸管毒:腸管に作用して嘔吐・下痢を起こす。エンテロトキシン。黄色ブドウ球菌など。
に分けられる。

食中毒

毒素型食中毒

毒素型食中毒(先輩の絵を拝借…)
  • 食品中に含まれる毒素により症状が現れる。
  • 潜伏期間は短い。
  • 黄色ブドウ球菌ボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型)など。

感染型食中毒(感染侵入型)

感染侵入型食中毒(先輩の絵を拝借…)
  • 細菌が腸組織に侵入する。
  • 毒素産生はしない。
  • サルモネラ属菌カンピロバクターなど。
  • 加熱予防が有効。

感染型食中毒(感染毒素型)

感染毒素型食中毒
  • 細菌が腸内で毒素を産生する。
  • 腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、腸管出血性大腸菌(O111、O157)、セレウス菌(下痢型)など。
  • 加熱予防が有効。

理論問題解いてみる①

第91回 問69
食中毒に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. 腸炎ビブリオは、淡水中で溶菌しやすい。
  2. 食品の加熱処理により、黄色ブドウ球菌による食中毒は予防できる。
  3. ボツリヌス菌による食中毒は、食品を真空包装することによって予防できる。
  4. サルモネラ属菌で汚染されている鶏卵による食中毒が増加している。
まず、腸炎ビブリオってきたら好塩菌(成育に3.5%程度の塩濃度が必要)ってことと、海産魚介類に多く含まれるってことを考える。ちなみに感染毒素型食中毒の原因。予防には加熱や真水での洗浄が有効。調理器具もね!
黄色ブドウ球菌毒素型食中毒で、その毒素は耐熱性エンテロトキシン…ってことはちょっと加熱してもダメってことですね。
ボツリヌス菌芽胞形成菌嫌気性菌ですね。嫌気性菌は酸素がないところでないと増殖できないから、真空はむしろ好都合。増殖しちゃいます。
サルモネラ属菌感染侵入型食中毒の原因。動物の糞尿によって汚染された鶏卵や食肉が原因となることが多いということで、最近増加してるのかはわからないけど、細菌性食中毒の患者数は堂々のトップでした。
正解は 1、4 

理論問題解いてみる②

第85回 問77
次の記述に該当する細菌はどれか。1つ選べ。
グラム陰性菌で、イヌ、ウシ、ニワトリなどの腸管に高率に分布している。家庭ではペットの糞便を介した感染も報告されている。本菌による食中毒では、2〜6日の潜伏期ののち、発熱、吐き気、腹痛などに続き水様性下痢や血便が認められる。食品中では4℃以下でも長期間生存可能であるが、十分加熱調理すれば食中毒は予防できる。
  1. Helicobacter pylori
  2. Vibrio parahaemolyticus
  3. Campylobacter jejuni
  4. enterohemorrhagic Escherichia coli
  5. Clostridium botulinum
1はピロリ菌胃潰瘍などと関連がある恨まれ役。
2はビブリオ好塩菌で魚介類に多く含まれるやつ。
3はカンピロバクター糞便で汚染された食肉(特に鶏肉)から感染する。発生件数ナンバー1!ギラン・バレー症候群が続発することがあるよ。
4は腸管出血性大腸菌、加熱していない牛肉などが感染源、溶血性尿毒症症候群(HUS)に注意。
5はボツリヌス嫌気性で毒素型、毒素は熱に弱い。神経毒
というわけで、正解は 3 

2014年10月23日木曜日

【生物】第99回国家試験必須問題

2015年2月28日までの日数:128日
第100回薬剤師国家試験まであと128日

99回の国家試験問題でも解いてみることにした。
物理必須問題はこちら。化学必須問題はこちら

■第99回薬剤師国家試験必須問題

第99回 生物必須問題 問11

気管の内面を覆う上皮組織を示す模式図はどれか。1つ選べ。
上気道が粘液を分泌する杯細胞と異物排出を促進する繊毛から構成されていることを知っていれば解けるはず。
1は単層扁平上皮、2は胃や小腸、大腸、子宮などの単層円柱上皮、3は口腔や食道、皮膚などを構成する重層扁平上皮、4は膀胱などの内面を覆う移行上皮。
正解は 5 

第99回 生物必須問題 問12

下半身のリンパ液が集まる脈管はどれか。1つ選べ。
  1. 右リンパ本幹
  2. 胸管
  3. 右鎖骨下静脈
  4. 腹大動脈
  5. 下大静脈
左右下半身と左上半身のリンパ液は胸管に集まって、左静脈角に流入する。
右上半身のリンパ液は右リンパ本幹に集まり、右鎖骨下静脈と右内頸静脈の合流部に流入する。
ので、正解は 2 

第99回 生物必須問題 問13

一酸化窒素合成酵素(NOシンターゼ)により一酸化窒素(NO)を生成するアミノ酸はどれか。1つ選べ。
  1. L-トリプトファン
  2. L-アスパラギン
  3. L-リシン
  4. L-アルギニン
  5. L-グルタミン酸
NOはL-アルギニンから産生されるので、正解は 4 

第99回 生物必須問題 問14

真核細胞におけるメッセンジャーRNA(mRNA)の開始コドンに対応するアミノ酸はどれか。1つ選べ。
  1. L-トリプトファン
  2. L-アラニン
  3. L-グルタミン酸
  4. L-メチオニン
  5. L-ヒスチジン
開始コドンはAUGL-メチオニンに対応しているので、正解は 4 
ちなみにコドンの数は64個あって、終止コドンはUAA、UAG、UGAの3つ。終止コドンに対応するアミノ酸はない!

第99回 生物必須問題 問15

抗ウイルス活性を示すサイトカインはどれか。1つ選べ。
  1. インターフェロンα(IFN-α)
  2. インターロイキン2(IL-2)
  3. エリスロポエチン
  4. 腫瘍壊死因子α(TNF-α)
  5. 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
インターフェロン抗ウイルス活性抗腫瘍作用があるサイトカイン。
C型肝炎などにつかったりしてますね。
正解は 1 

基礎科目の中では生物が一番問題いじりやすくて、難しくしやすい印象ですね。
ちゃんとやれば取れるんだろうけど、時間無かったら物理とかを優先したほうが良いのかも。

【化学】第99回国家試験必須問題

2015年2月28日までの日数:128日
第100回薬剤師国家試験まであと128日

99回の国家試験問題でも解いてみることにした。
物理必須問題はこちら

■第99回薬剤師国家試験必須問題

第99回 化学必須問題 問6

1,4ジヒドロピリジンはどれか。1つ選べ。
ピリジンがジヒドロ化された化合物を選ぶ問題。
ピリジンの構造がわかること。と、どこが1位かわかること。の2つができればおっけーだと思います。選択肢もひねってなくて簡単。
ピリジンはNを1つ含む芳香族6員環でNの位置が1位なので、4位が水素還元されてる3だけがのこりました。
正解は 3 です。

第99回 化学必須問題 問7

次のうち、求核置換反応でないものはどれか。1つ選べ。
どれも求核置換反応にみえて、間違えそうだけど、5番のHNO3の反応はニトロニウムイオン(NO2+が関与する求電子置換反応

正答は 5 

第99回 化学必須問題 問8

AとBが互いにジアステレオマーの関係にあるのはどれか。2つ選べ。
1は唯一ある不斉炭素の立体配置が逆なので、エナンチオマー。
2はジアステレオマー。
3は反転しただけの同一化合物。
4はちょっとわかりにくいけど、エナンチオマー。
5は両方の立体配置が逆のエナンチオマー。
焦ってるとミスりそうだけど、確実に取りたい問題。
正解は 2 

第99回 化学必須問題 問9

ルイス酸はどれか。1つ選べ。
ルイスの酸と塩基の定義は、電子を受け取ることができる物質(ルイス酸)与えることができる物質(ルイス塩基)のこと。
ローンペアがあるかどうか、空軌道があるかどうかで判断する。
N(CH3)3はNがローンペアを持っていて、電子を与えることができるのでルイス塩基。
S(CH3)2もSがローンペアを持っていて、電子を与えることができるのでルイス塩基。
P(C6H5)3もPがローンペアを持っていて、電子を与えることができるのでルイス塩基。BF3はBが空軌道をもっているため、電子を受け取ることができるルイス酸である。
テトラヒドロフランはOがローンペアを持っているので、電子を与えることができるルイス塩基。
正解は 4 

第99回 化学必須問題 問10

ベンズアミド1gに200mLの有機溶媒を加え、200mLの水とともに分液ロートで振り混ぜた。静置後に二層となり、ベンズアミドは主に上層に含まれていた。この時使用した有機溶媒はどれか。1つ選べ。

  1. アセトニトリル
  2. メタノール
  3. クロロホルム
  4. 酢酸エチル
  5. アセトン

まず、水と混ざる有機溶媒(アセトン、メタノール、アセトニトリル)を除外する。
そんで、クロロホルムは下層にいく溶媒なので、酢酸エチルが残る。
正解は 4 

化学もやっぱり必須レベルであれば80%〜90%はとっておきたい感じ。

【物理】第99回国家試験必須問題

2015年2月28日までの日数:128日
第100回薬剤師国家試験まであと128日

99回の国家試験問題でも解いてみることにした。

■第99回薬剤師国家試験必須問題

第99回 物理必須問題 問1

塩化ナトリウム結晶中で働く相互作用のうち、主要なものはどれか。1つ選べ。

  1. ロンドン力(分散力)
  2. 水素結合
  3. 静電相互作用
  4. 疎水性相互作用
  5. 双極子-双極子相互作用

Na+Cl-の結晶なので、静電相互作用が正解。
間違えそうな選択肢としては双極子-双極子相互作用かな?
双極子-双極子相互作用は、O-HとかN-H、C-Clなどの分極した分子同士の相互作用。水素結合なんかはそれですね。
正解は 3 

第99回 物理必須問題 問2

下図は、ある反応の平衡定数Kの自然対数を絶対温度T(K)の逆数に対してプロットしたものである。直線の傾きが示す熱力学的パラメータはどれか。
問2:図1 lnKと1/Tのプロット

  1. 活性化エネルギー
  2. 遷移状態エネルギー
  3. 内部エネルギー変化
  4. 標準反応エントロピー変化
  5. 標準反応エンタルピー変化

絶対温度Tの逆数に平衡定数Kの対数をプロットしたものはファントホッフプロットで、傾きは -ΔH°/R になる。
右下がりの場合は吸熱反応、右上がりなら発熱反応。
正解は 5 

第99回 物理必須問題 問3

懸濁液における粒子の沈降速度と比例関係にあるものはどれか。1つ選べ。

  1. 分散媒の密度
  2. 粒子の密度
  3. 分散媒の粘度
  4. 粒子の半径
  5. 粒子の半径の2乗

あれ沈降速度とかって薬剤の範囲じゃなかったっけ?って思ったけど、物理化学の範囲っぽい。
なにやら難しげなストークスの式(下式)から
ストークスの式
粒子の沈降速度に比例するのは、粒子と分散媒の密度差(ρ-ρ0)、粒子の直径の2乗(d2)、粒子の半径の2乗(d/22)です!
粒子半径(直径)の2乗が小さい。 = 沈降速度は遅い。(ふわっふわしちゃう)
粒子と分散媒の密度差が小さい。 = 沈降速度は遅い。(差があった方が沈降しやすい)

ちゃんと知らなかったけど「ρ」ってローって読むのね。
「物理学では密度、電気抵抗率を表す。」by Wikipedia先生

反比例するのは、沈降時間、分散媒の粘度(η)。
沈降時間が長い = 沈降速度は遅い。
分散媒の粘度が高い = 沈降速度は遅い。
η」はイータだよ。

詳しい話は僕もよくわかんないのでストークスの式(Wikipedia)に譲ります!

正答は 5 

第99回 物理必須問題 問4

「0.0120」で表される数値について、有効数字の桁数はどれか。1つ選べ。

  1. 1桁
  2. 2桁
  3. 3桁
  4. 4桁
  5. 5桁

120の部分ですね。下から数えていって0以上の数字が出てくる桁数。
正答 3 です。
正答率が案外低い問題みたいです。基礎をしっかりしないと。

第99回 物理必須問題 問5

次の測定法のうち、最もエネルギーが低い電磁波を用いるのはどれか。1つ選べ。

  1. 赤外吸収スペクトル法
  2. 核磁気共鳴スペクトル法
  3. X線回折測定法
  4. 紫外可視吸光度測定法
  5. 蛍光光度法

エネルギーの大きさは,
X線 > 紫外線 > 可視光線 > 赤外線 > ラジオ波
なので、ラジオ波を用いている核磁気共鳴スペクトルが一番弱い電磁波を使った測定法です。
ちなみに蛍光光度法は、紫外可視領域の電磁波を測定してるやつ。

正答は 2 

物理の必須問題はここまで。
期待正答率は80%以上(1ミスくらい)かな?できれば90%以上(ノーミス)とりたい。

2014年10月22日水曜日

【衛生】代謝・抱合反応など②

2015年2月28日までの日数:129日
第100回薬剤師国家試験まであと129日
国試よりも卒業試験が気がかり…。

化学物質の代謝・抱合反応など

■第二相反応:抱合反応

抱合反応はほっとんど解毒反応。
第Ⅰ相反応で共通の官能基をつけて、さらに抱合して極性を高めて排泄する。
関与するのは5種類の抱合反応。

■グルクロン酸抱合

酵素はミクロソーム画分に存在する!
UDP-α-グルクロン酸(UDP-GA)UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)によって水酸基、アミノ基、カルボキシ基などをもつ基質がβ-グルクロニドとなる反応。
α体の供与体がβ結合してβ体の抱合体を形成する。
β体なので、β-グルクロニダーゼで加水分解される。(腸内細菌が分解することで再吸収される。→腸肝循環)
新生児はグルクロン酸抱合能が成人の約1/100ととっても低い。

☆OHの抱合
エーテル結合を生成。
例)
フェノール
モルヒネ → モルヒネ-3-グルクロニド

☆COOHの抱合
エステル結合を生成。
例)
安息香酸

■硫酸抱合

酵素は可溶性画分に存在する!
活性硫酸(PAPS)のS原子が、水酸基、アミノ基などにより求核的に攻撃されて抱合体となる。活性硫酸は無機硫酸(H2SO4)と2ATPから生成される。

■アセチル抱合

酵素は肝可溶性画分に存在する!
主に芳香族アミンがアセチル化を受ける。
代表的な薬物はイソニアジド。イソニアジドのN-アセチル化は遺伝的多型が存在する。
基本的にアセチル化能は日本人>欧米人で、日本人ではアセチル化能が高い人の割合は約90%にも達する。わお!
アセチルトランスフェラーゼにはNAT1やNAT2があり、イソニアジドのアセチル化はNAT2が関わっている。

■アミノ酸抱合

酵素はミトコンドリア画分に存在する!
ヒトでは主にグリシン抱合で、たまにグルタミン抱合がおこる。
基質のカルボキシ基が活性化する。
安息香酸がベンゾイルCoAになって、グリシン抱合を受けると、馬尿酸となって尿中排泄される。
例)
トルエン→ベンジルアルコール→ベンズアルデヒド→安息香酸→ベンゾイルCoA→(グリシン抱合)→馬尿酸

■グルタチオン抱合

酵素は可溶性画分ミクロソーム画分(一部)に存在する!
基質の電子密度が低い部分にグルタチオンが結合するので、エポキシドハロゲン化合物ニトロ基をもつ化合物などが抱合を受けやすい。
抱合に関与する酵素はグルタチオン S-トランスフェラーゼ(GST)
尿中にはメルカプツール酸(N-アセチルシステイン抱合体)として排泄される。
胆汁中にはグルタチオン抱合体システイン抱合体として排泄。

■チオシアネート抱合

シアンの解毒はCN-をロダネーゼ(硫酸転移酵素)チオシアン酸イオン(SCN-)に変換することで行われる。

■腸内細菌による代謝

腸内では嫌気的な反応(還元反応と加水分解反応)が主に起こる。
関与する酵素は、β-グルクロニダーゼβ-グルコシダーゼ、アゾ還元酵素など。
β-グルクロニダーゼがグルクロン酸抱合外しちゃったりするから、腸管で再吸収されて腸肝循環が起こる。

■理論問題解いてみる①

第87回 問95
ヒトの異物代謝に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 異物代謝の性差は、ラットに比べて大きい。
  2. 新生児期のグルクロン酸抱合活性は、胎児期よりも低い。
  3. CYPの発現分子種は、同一個体でも臓器によって異なる。
  4. 一般に代謝を受けた化合物は元の化合物よりも極性が高い。

性差についてラットと比較されるのもなんだろうって感じだけど、ヒトでは代謝能の性差は少ないらしいです。なので☓。
新生児のグルクロン酸抱合能は低いってのは知ってるけど胎児期と比較されるのは…って思ったけど胎児期もかなり低くて、成長とともに上がっていくってことで、「ほぼ同じ」が正解らしい。
3,4はまんまあってますね。極性高めて排泄っと。

正答は 3、4 です。

■理論問題解いてみる②

第85回 問91
薬物代謝に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. シトクロムP450は、解毒だけでなく代謝的活性化にも関与する。
  2. 異物のグルタチオン抱合体は、ほとんどそのまま尿中に排泄される。
  3. グルクロン酸転移酵素は、主に肝臓の可溶性画分に存在する。
  4. N-アセチル転移酵素には、遺伝的多型がみられる。

1はまんまですね。
CYPによる代謝的活性化については、【衛生】代謝・代謝的活性化など①を参照
2のグルタチオン抱合体は、尿中では最終産物であるメルカプツール酸となって排泄されるので☓です。
3はクロクロでグルクロン酸転移酵素ミクロソーム画分でしたね。→クロクロについては【衛生】代謝・代謝的活性化など①を参照
4はイソニアジドのアセチル化に関わる酵素NAT2とか遺伝的多型がありました。日本人はrapid acetylatorが多い(約90%)んでした。

正答は 1、4 です。

■理論問題解いてみる③

第93回 問93
ヒトにおける化学物質の代謝に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)により生成するグルクロニドは、全てβ体である。
  2. 安息香酸は、タウリン抱合を受けて馬尿酸として排泄される。
  3. ベンゾ[α]ピレンの代謝的活性化には、シトクロムP450が関与する。
  4. 硫酸抱合体は、さらにメルカプツール酸へと代謝されて尿中に排泄される。

グルクロン酸抱合体は全てβ体です。腸内細菌のβ-グルクロニダーゼではずれちゃう。ちなみに補酵素のUDP-GAはα体だから背面から攻撃すると必然的にβ体になるのね。
安息香酸は、グリシン抱合でした。なので☓。
ベンゾ[α]ピレンの代謝的活性化には、シトクロムP450エポキシドヒドラーゼが関与。
メルカプツール酸になって尿中に排泄されるのはグルタチオン抱合です!

正答は 1、3 でした。


【衛生】代謝・代謝的活性化など①

2015年2月28日までの日数:129日
第100回薬剤師国家試験まであと129日
着実に日数が減っていってる。。。

化学物質の代謝・代謝的活性化

細胞膜は脂質二重膜だから脂溶性の高いものほど吸収されやすい。
↓↓↓
異物代謝酵素の多くは極性化を促して体外排泄を促進する。

このプロセスが基本。
ただし、一部代謝によって活性化する(毒性が高まる)薬物もあるよって話。
これを「代謝的活性化」っていうみたいです。

■異物代謝反応:第Ⅰ相反応

第Ⅰ相反応っていうのは官能基導入(酸化、還元、加水分解など)の反応。

酸化還元酵素

酸化還元酵素のほとんどは肝ミクロソーム画分滑面小胞体にあるよ。
ただし、アルコール脱水素酵素(ADH)アルデヒド脱水素酵素(ALDH)肝可溶性画分にあって、アセトアルデヒドを解毒するALDH2肝ミトコンドリア画分にあるっていう例外規定。
フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)は酸化還元酵素。

加水分解酵素

エポキシドヒドラーゼなどなど。いろいろなところにある加水分解酵素が反応に関与してるよって。

■異物代謝反応:第Ⅱ相反応

第Ⅱ相反応っていうのは主に抱合反応のこと。

抱合反応関連酵素

酵素反応局在箇所
スルホトランスフェラーゼ硫酸抱合肝可溶性画分
グルタチオン S-トランスフェラーゼグルタチオン抱合肝可溶性画分
アセチルトランスフェラーゼアセチル抱合肝可溶性画分
UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)グルクロン酸抱合肝ミクロソーム画分
メチルトランスフェラーゼメチル抱合肝ミクロソーム画分
アミノ酸N-アシル転移酵素(アシルCoA)アミノ酸抱合肝ミトコンドリア画分

ミトコンドリア画分

ミトコンドリア画分はアミノ酸抱合(グリシン抱合)
[]トコンドリ[]→[][]ノで覚える。。。微妙だけど笑
一部シトクロムP450もミトコンドリア画分に含まれるらしいけど、大部分はミクロソーム画分。

ミクロソーム画分

ミクロソーム画分はグルクロン酸抱合と大部分のシトクロムP450(…とメチル抱合)
ミ[][]ソーム→グル[][]ン酸、シト[][]ムP450で。クロクロってことで。

可溶性画分

可溶性画分にはそのほかの硫酸抱合グルタチオン抱合アセチル抱合関連酵素が存在してる。

化学物質の代謝

第Ⅰ相反応で代謝される主な化学物質
CYP1A1:多環芳香族炭化水素(ベンゾ[α]ピレンなど)
CYP1A2:カフェイン、テオフィリン、発癌性芳香族アミン(Trp-P-1などアミノ酸熱分解由来成分を含む)
CYP2C9:トルブタミド、ワルファリン
CYP2C19:メフェニトイン、オメプラゾール、ジアゼパム
CYP2D6:コデイン、ハロペリドール、イミプラミン
CYP2E1:エタノール、ジメチルニトロソアミン
CYP3A4:ニフェジピン、リドカイン、マクロライド系抗生物質、トリアゾラム、卵胞ホルモン、アフラトキシンB1など

備考:CYP2C19は日本人の約20%がPoor Metabolizer(低代謝活性)。CYP3A4グレープフルーツジュースで阻害される。

代謝様式

O-、N-、S-アルキル基のα酸化
OやNやSにくっついたアルキル基が外れてアルデヒドになるよって反応。
炭素数は変わらずなので、もともとくっついてたのと同じ炭素数のアルデヒドが生成する。
例)
フェナセチン → アセトアミノフェン
コデイン → モルヒネ
メタンフェタミン → アンフェタミン

環の酸化
水酸化エポキシ化が起こる。エポキシドはさらにエポキシドヒドラーゼでジオールになる。

二重結合のエポキシ化
例)
ベンゾ[α]ピレン → ベンゾ[α]ピレン 7,8-オキシド → 発癌活性本体

酸化的脱硫反応
P=Sの結合が酸化されてP=O(オクソン体)になる。
例)
パラチオン → パラオクソン

N-水酸化
P450やFMOで直接酸化を受ける。
第一級アミン→(P450)→ヒドロキシルアミン
第二級アミン→(P450、FMO)→ヒドロキシルアミン
第三級アミン→(FMO)→N-オキシド
例)
アニリン→フェニルヒドロキシルアミン

ヒドロキシルアミンはヘモグロビンのFe2+をFe3+に酸化するため、メトヘモグロビン血症を引き起こす。

その他
他にもハロゲン化水素が抜ける反応(主にHClが外れる。)とか、アルコール類の酸化とか、四塩化炭素やニトロ基の還元、アゾ基の還元、加水分解などがあるよ。

■理論問題を解いてみる①

第92回 問83
化学物質の代謝に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。

  1. 第Ⅰ相反応では、酸化、還元、加水分解により官能基が導入あるいは生成される。
  2. シトクロムP450は、代表的な加水分解酵素である。
  3. アフラトキシンB1は、β-グルコシダーゼで代謝的に活性化され発癌性を示す。
  4. ジメチルニトロソアミンは、シトクロムP450で代謝的に活性化される。

1はあってる。第Ⅱ相反応が抱合反応ね。
シトクロムP450酸化・還元酵素だから2は誤り。
アフラトキシンB1CYP3A4で代謝活性化されるやつね。ちなみにアフラトキシンカビ毒です。肝臓癌引き起こすらしい。
発癌機構として、肝臓の代謝酵素シトクロムP450によって活性化され、それがDNAと結合して付加体を形成する。付加体はDNAの変異や複製阻害を引き起こし、癌化のイニシエーターとなることが報告されている。(アフラトキシン-Wikipediaより)
ジメチルニトロソアミンシトクロムP450で代謝活性化されて、最終的にメチルカチオンを生じることで発癌性を示す

というわけで、正答は 1、4 です。

■理論問題を解いてみる②

第96回 問81
化学物質の代謝に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。

  1. 異物の代謝には、主としてミトコンドリアのシトクロムP450が関与する。
  2. パラチオンからパラオキソンへの変換は、シトクロムP450を介した脱硫反応によって起こる。
  3. 第一級アミンは、第三級アミンよりもフラビン含有モノオキシゲナーゼの基質になりやすい。
  4. ニトロ基の還元反応には、腸内細菌も関与する。


んー。
メインの代謝反応はミクロソームのシトクロムP450なので1は☓。
2は脱硫によるP=S→P=Oのオクソン体生成であってる。
3は、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)の基質になりやすいのは第三級アミンですね。第一級アミンはシトクロムP450。
4は知らなかったけど、ニトロ基の還元反応は腸内細菌の関与が大きいらしいです。

正答は 2、4 でした。

■理論問題解いてみる③

第94回 問81
シトクロムP450の分子種CYP3A4に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。

  1. 日本人において、poor metabolizerの発現頻度が最も高い分子種である。
  2. グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン類などによって阻害される。
  3. アフラトキシンB1をエポキシ化する。
  4. CYP3A4の遺伝子の転写は、細胞内に取り込まれた多環芳香族炭化水素が核内受容体に結合することによって促進される。

CYPのPMが一番多いのは日本人ではCYP2C19ですよって。書いてあったから覚える。それだけ。
グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害するけど、フラノクマリン類は知らなかったなー。覚えとこ。
アフラトキシンB1はカビ毒で肝癌の危険因子。CYP3A4でエポキシ化されて代謝的活性化される
多環芳香族炭化水素受容体と結合することによって転写促進するのはCYP1ACYP3AはPXR/RXRのヘテロ二量体によって転写が促進されるらしいです。これはノーマークだった…。

正答は 2、3 でした。

このあたりはわりかし覚えることが多いのかもしれない…。なんとなくはわかるようにしないと。。。

2014年10月21日火曜日

【衛生】ビタミン・無機質など①

2015年2月28日までの日数:130日

第100回薬剤師国家試験まであと130日

■栄養素:ビタミン

■理論問題解いてみる①

第95回 問63
ビタミンD3に関する記述のうち、正しいものはどれか。
  1. エルゴカルシフェロールともいう。
  2. 紫外線の作用により7-デヒドロコレステロールから生成する。
  3. 生体内で2段階のメチル化を受けて活性型となる。
  4. 活性型ビタミンD3は、小腸においてカルシウム結合タンパク質の合成を促進する。
  5. 過剰症として低カルシウム血症が知られている。

ビタミンD3コレカルシフェロールですね。
エルゴカルシフェロールビタミンD2。まぎらわし!
紫外線(UV-B)の作用により皮膚7-デヒドロコレステロールからビタミンD3に変換されるのでこれはあってる。
ビタミンD3の活性化には2段階の水酸化反応が関係してますね。肝臓(25位)と腎臓(1位)それぞれの水酸化を経て活性型ビタミンD3が完成。
活性型ビタミンD3カルシウム結合タンパク質などの合成を促進するので、小腸でのカルシウム吸収が促進っと。
過剰症は高カルシウム血症ですね。

正答は 2、4 でした。

■栄養素:無機質

■理論問題解いてみる②

第91回 問62
無機質に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. リンは、生体に最も多く含まれる無機質である。
  2. コバルトは、ビタミンB2の構成成分である。
  3. 亜鉛の欠乏により味覚障害や創傷治癒遅延がおこる。
  4. 銅の欠乏は、鉄の欠乏と同様に貧血を起こす。

生体に多く含まれる無機質はカルシウム(最も多い)リン(2番目に多い)、K、S、Na…って感じです。骨にCaがいっぱいあるよって思っとけばOKかな。
コバルトビタミンB12の構成成分ですね。ビタミンB2はリボフラビンでFADとかFMNとかになって補酵素として働くやつです。
亜鉛の欠乏味覚障害創傷治癒遅延、皮膚炎、発育障害などが起こります。味を感じるのはZnっておもっとけばOK。
銅と鉄は造血機能に関与しているので欠乏すると貧血になりますよ。Feはヘモグロビンの中心元素でわかるけど、なんで?って、銅はヘモグロビン合成過程の酵素の中心元素だかららしいです。

ってことで、正答は 3、4 です。

【生物】微生物・細菌の構造とか①

2015年2月28日までの日数:130日

第100回薬剤師国家試験まであと130日
物理・化学・生物の基礎科目大事!うん大事。

■微生物

生態系を構成する生物には生産者(植物とか)、消費者(動物とか)、分解者(微生物とか)がいますよって。
このサイクルの中で微生物とか窒素固定細菌硝化細菌脱窒素細菌とかの窒素細菌は重要ですよって。
このへんはだいじょうぶなハズ。

■原核細胞と真核細胞の違い

原核細胞(細菌)真核細胞(真菌・原虫)
核膜なし
染色体(DNA)は核様体として存在
核膜あり
複数の染色体が存在
染色体外DNAプラスミドミトコンドリア、葉緑体DNA
細胞膜ステロールを含まないステロールを含む
呼吸系酵素細胞膜に存在ミトコンドリアに存在
リボソーム70S(30S+50S)80S(40S+60S)
ミトコンドリア
小胞体
ゴルジ体
リソソーム
ペルオキシソーム
なしあり
細胞骨格なしあり(微小管など)
細胞壁構成成分ペプチドグリカン
(※マイコプラズマは細胞壁を持たない)
動物:なし(原虫も)
植物:セルロース、ペクチン、リグニン
真菌:β-グルカン、キニン
※青本③(薬ゼミ編集、改訂第三版) p.578より引用

■理論問題を解いてみる①

第86回 問52
哺乳動物細胞と真菌細胞の特徴に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 染色体は哺乳動物細胞の核に存在するが、真菌細胞には存在しない。
  2. 細胞壁は、真菌細胞には存在するが、哺乳動物細胞には存在しない。
  3. 哺乳動物細胞と真菌細胞は、どちらもミトコンドリアを持っている。
  4. 小胞体は、哺乳動物細胞には存在するが、真菌細胞には存在しない。

正答は 2、3 です。
上の表に照らし合わせれば楽ちん、簡単なお仕事ですね。

■細菌

■原核生物である細菌の構造

だいたいサイズは0.5〜2μm。思ったより大きかった笑

核様体

核膜なしで細胞質中にむき出しの環状二本鎖DNAをもつ。(核様体)
細菌のDNAにイントロンはないよっと。

プラスミド

核様体とは独立した自立複製するプラスミド(DNA)をもっているものもあるよ。
薬剤耐性因子(Rプラスミド)とかはこれ。

リボソーム

30Sと50Sサブユニットからなる70Sのリボソームをもってる。

細胞膜

脂質二重膜構造。構成成分にステロールを含まない。いろいろな機能がついてて多機能な細胞膜ですよ。

細胞壁

ペプチドグリカンが主成分。(N-アセチルムラミン酸N-アセチルグルコサミンから構成)

鞭毛

フラジェリンタンパク質が重合してる線維がぐるぐる。とても素晴らしい最先端な移動用器官。

繊毛

グラム陰性菌の細胞表層にある鞭毛よりも細くて短い繊維。組織にくっつくのに使うらしい。

莢膜

細菌細胞の表層構造。境界が明確なら莢膜。明確じゃなければ粘液層。細菌を守ってる。

芽胞

クロストリジウム属やバチルス属のグラム陽性桿菌がつくる完全防御形態。守りは固いけど、何もできない。あ、トランセル状態だ。(初期ポケモンネタ…)

細菌の種類

いろいろあるから省略。

細菌の毒素

内毒素(エンドトキシン)外毒素(エキソトキシン)
所在グラム陰性菌の細胞壁外膜構成成分菌の増殖とともに細胞外に分泌される
組成リポ多糖(リピドAが毒性本体)タンパク質、糖タンパク質
易熱性・耐熱性耐熱性一般に易熱性(タンパク質だからね)
毒性比較的弱い一般に強い
備考グラム陰性菌に特有である。・抗毒素抗体が存在する。
・トキソイド化が可能。
・グラム陽性菌、グラム陰性菌に存在する。
※青本③(薬ゼミ編集、改訂第三版) p.593より引用

リポ多糖はエンドトキシンショックを起こすことがあるよ。

■理論問題解いてみる②

第96回 問50
細菌の毒素に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 内毒素は、グラム陽性菌外膜に存在するリポ多糖である。
  2. ウェルシュ菌のα毒素は、ガス壊疽を引き起こす。
  3. ボツリヌス毒素は内毒素に分類される。
  4. ジフテリア毒素のAフラグメントは、ADPリボシル化活性を有する。

なんじゃこれ…ってのもあるけど、まず内毒素グラム陰性菌の細胞壁外膜に存在するリポ多糖なので間違い。
ボツリヌス毒素外毒素(ボツリヌス菌が産生している毒素)なので間違い。

というわけで、正答は 2、4 なのだけど。
グラム陽性嫌気性桿菌のウェルシュ菌は毒素(α、β、ε)の産生パターンでA〜E型までいるらしいです。A型菌はα毒素を産生してガス壊疽を引き起こすよってことで。
ジフテリア菌が産生する外毒素であるジフテリア毒素はAフラグメントBフラグメントに解離するらしい!
で、Aフラグメントペプチド伸長因子EF-2をADPリボシル化してタンパク合成を阻害する。

2014年10月20日月曜日

【薬理】副交感神経の薬①

2015年2月28日までの日数:131日

第100回薬剤師国家試験まであと131日
これが長いのか短いのか。早く終わって欲しいけど、もっと勉強しないとな。

■副交感神経作動薬

副交感神経系の薬だとコリン作動薬間接型作動薬(コリンエステラーゼ阻害)抗コリン薬があるってことがとっても大事だ。うん。
このうち作動薬は直接型コリン作動薬間接型コリン作動薬

■直接型コリン作動薬

アセチルコリンとかベタネコール、カルバコール、メタコリンなどのコリンエステル類。
ベタネコールニコチン様作用ないよ!コリンエステラーゼで分解されないよ
カルバコールニコチン様作用あるよ!コリンエステラーゼで分解されないよ
アセチルコリンメタコリンはコリンエステラーゼで分解されるよ
ベタネコールとメタコリンみたいにβ位にメチル基がつくとニコチン様作用が弱くなるらしい。
ベタネコールとカルバコールみたいにアセチル基をカルバモイル基にするとコリンエステラーゼで分解されないよだって。
当然だけどコリンエステラーゼで分解されなければ作用時間は長い!

■間接型コリン作動薬

コリンエステラーゼはアセチルコリン分解酵素(アセチルコリン→コリン+酢酸)だから阻害するとシナプス間隙のアセチルコリン濃度が上昇して副交感神経興奮。
コリンエステラーゼはアセチルコリンエステラーゼ(真性)血漿コリンエステラーゼ(偽性)の2種類。
真性のほうはアセチルコリンのみを分解して、偽性はアセチルコリンのほかにもスキサメトニウム、プロカインとかを分解。

コリンエステラーゼ阻害薬の分類

コリンエステラーゼにはエステル部陰性部(マイナス荷電部位)があってそれぞれ阻害部位がちがうよ!感覚的にだけど、陰性部は電気的な相互作用だから結合弱め、エステル部は共有結合だから結合強め(水で加水分解されるので可逆的な結合)っていう認識。(作用持続時間のお話)

○可逆的コリンエステラーゼ阻害薬
エステル部に結合する:フィゾスチグミン
陰性部に結合する:エドロホニウム
陰性部エステル部結合する:ネオスチグミン、ジスチグミン、ピリドスチグミン、アンベノニウム

○非可逆的コリンエステラーゼ阻害薬
エステル部に結合する:有機リン系(サリン、パラチオンなど)

■抗コリン薬

アセチルコリンのムスカリン様作用に拮抗する薬たち
代表格は天然物のアトロピン(dl-ヒヨスチアミン)とスコポラミン(組織選択性はないよ)
合成品だといろいろある。

M1受容体自律神経節分泌細胞、中枢神経
M2受容体心臓(遮断で心拍数抑制系を抑制するので頻脈)
M3受容体平滑筋、外分泌腺(汗腺、唾液腺など)

抗ムスカリン作用でこうなる!

  1. 散瞳(瞳孔括約筋弛緩)
  2. 遠視性調節麻痺(毛様体筋弛緩)
  3. 眼内圧上昇(毛様体筋弛緩からのシュレム管狭小)
  4. 唾液、汗、胃酸、気道分泌抑制
  5. 腸・膀胱平滑筋弛緩
  6. 頻脈(心臓M2受容体遮断→心拍数増加)

アトロピンは散瞳の作用が長いんだけど、ホマトロピントロピカミドシクロペントラートは作用時間短いから診断に用いますよって。

イプラトロピウムオキシトロピウムM3受容体遮断で気管支平滑筋弛緩させるお薬。4級アンモニウムだから消化管からは吸収されない。吸入で使用する。

■理論問題解いてみる

第95回 問123
アセチルコリンに関する記述のうち、誤っているものはどれか。2つ選べ。

  1. ムスカリン性アセチルコリンM3受容体を刺激し、血管内皮細胞における一酸化窒素(NO)の産生を促進して血管を弛緩させる。
  2. ムスカリン性アセチルコリンM2受容体を刺激し、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を促進する。
  3. 洞房結節の自動能を抑制して洞性徐脈を起こす。
  4. アセチル基をカルバモイル基で置換すると、アセチルコリンエステラーゼおよび非特異的コリンエステラーゼによる分解を受けにくくなる。
  5. ムスカリン性アセチルコリンM1受容体を刺激し、Giタンパク質を介してホスファチジルイノシトール回転を亢進させる。
まず、
アセチルコリンはM1、M2、M3受容体刺激作用があるってこと。
血管は平滑筋なのでM3受容体作用が関係してること。
神経終末のM2受容体は自己受容体でアセチルコリン遊離抑制が起こるってこと。
M2受容体刺激で心臓の洞房結節の自動能を抑制するよってこと。
カルバモイル基になると分解されないよってこと。
Giタンパク共役型は抑制ですね。M1受容体はGqタンパク共役型受容体ホスファチジルイノシトール代謝回転亢進させますよっと。
ここらへんがわかってれば解けそうです。

正答は 2、5 でした。



【薬理】対象酵素と薬物と適応症①

2015年2月28日までの日数:131日

第100回薬剤師国家試験まで131日。。。
こんな時期にブログ始めるとか正気の沙汰じゃない気もしますが、国家試験問題とか解きながらの雑感を。

薬理の基礎・酵素に作用するお薬

理論問題を解いてみる①

第87回 問122
次の薬物-影響を受ける酵素-適応症のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。
薬物影響を受ける酵素適応症
1ピリドスチグミンコリンエステラーゼ筋ジストロフィー
2ランソプラゾールH+, K+-ATPase十二指腸潰瘍
3アロプリノールキサンチンオキシダーゼ痛風
4カンデサルタン シレキセチルホスホジエステラーゼ緑内障
5オザグレルトロンボキサン合成酵素高血圧症

この手の問題は詳しいところまでちゃんと知ってないとミスっちゃう(カンで答えた時の正答率低い系問題)なので苦手なのです。

ひとつずつ。
ピリドスチグミンコリンエステラーゼ阻害薬ですね。アセチルコリンの作用を増強して効果発揮。重症筋無力症の治療につかう薬ですね。ちなみに経口で使います。
ちなみに重症筋無力症の診断薬は作用時間の短いエドロホニウム

今調べて知ったこと。
筋ジストロフィーは骨格筋が破壊されて筋力低下が起きる疾患で根治療法は無いらしい。
いや、知っとけよって話ですね。

次!
ランソプラゾールは代表的なプロトンポンプインヒビター(PPI)。プロトンポンプがH+, K+-ATPaseだって分かれば良いかと。H+の分泌は胃の壁細胞ですね。ぼくも実務実習で胃を痛めた時はお世話になりました。笑

アロプリノールキサンチンオキシダーゼ阻害薬で痛風に使用する薬。
最近だとフェブキソスタットっていう、非プリン系のキサンチンオキシダーゼ阻害薬がよく使われてるっぽいですね。フェブリクってやつです。実務実習ではちょいちょいでてました。

カンデサルタンシレキセチルアンジオテンシンⅡAT1受容体遮断薬(ARB)ですね。カンデサルタンのプロドラッグ。ACE阻害薬といっしょに慢性心不全の予後を改善っと。
ARBもACE阻害薬も高血圧症に使いますね。

オザグレル。全国の尾崎さんはオザグレルって呼ばれたことがあるんじゃないかなと思ってます。血小板のトロンボキサンA2(TXA2)合成酵素阻害で血小板凝集抑制ですね。
ちなみにオザグレル塩酸塩水和物は気管支喘息にも適応があるっぽいです。

というわけで、正答は 2、3 です。

理論問題を解いてみる②

第85回 問123
次の薬物-影響を受ける酵素-発現効果のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。
薬物影響を受ける酵素発現効果
1
シルデナフィル
ホスホジエステラーゼⅤ
陰茎海綿体弛緩増強
2
ワルファリン
ビタミンKエポキシド還元酵素
血液凝固促進
3
アルテプラーゼ
プラスミン
抗線溶
4
アカルボース
アルドース還元酵素
ソルビトール蓄積阻害
5
硝酸イソソルビド
グアニル酸シクラーゼ
血管拡張

さっきの問題よりは多少優しい気がします。
ホスホジエステラーゼⅢ阻害薬のミルリノン、シロスタゾールなどとホスホジエステラーゼⅤ阻害薬のシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルなどなどがあるから少し注意は必要なのかもしれないけど。

シルデナフィルホスホジエステラーゼⅤ阻害で、一酸化窒素(NO)を介して、cGMP量増加させる薬ですね。適応症は勃起不全

ワルファリン血液凝固抑制ですね。ビタミンKエポキシド還元酵素って名前をちゃんと知らなかったけど、ビタミンKが絡んでそうな感じはしますね笑
ちゃんと覚えよう。ワルファリンビタミンKエポキシド還元酵素阻害薬です。

アルテプラーゼ
これもちょっと勘違いしやすいところかも。アルテプラーゼ組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)です。
プラスミノーゲン→プラスミン→血栓溶解
この流れのプラスミノーゲン→プラスミンを促進して作用するみたいで。。。
u-PAと比べて出血傾向が起こりにくいってとこも押さえとくといいのかな?

アカルボースα-グルコシダーゼ阻害薬ですね。
アルドース還元酵素阻害薬エパルレスタット!神経細胞内のソルビトール蓄積阻害で末梢神経障害を抑制する薬。(…最近までエパレルスタットだと思ってた笑)
ちなみにβ-グルコシダーゼとα-グルコシダーゼの区別がつきにくくて困ってるって友達に話したら馬鹿にされて泣きそうです。。。
α-グルコシダーゼは小腸上皮細胞に膜酵素として発現している消化酵素(Wikipediaより)で、β-グルコシダーゼ微生物,高等植物,動物の肝臓・腎臓・小腸粘膜,カタツムリ消化液などに広く分布(Wikipediaより)する酵素らしいっす。大腸菌がもってるのはβ-グルコシダーゼだった気がするんだけど…
って調べたら余計にわかんなくなったーーーー!

硝酸イソソルビドはNOになってグアニル酸シクラーゼ活性化して、cGMP増加して血管拡張!

というわけで、正答は 1、5 でした。