2014年11月14日金曜日

【薬剤】大学の過去問…2013年版を解いてみる①

2015年2月28日までの日数:106日
第100回薬剤師国家試験まであと106日
薬剤師の知り合いに「私も受験の時は夏くらいから1日10時間やったわ」って言われて焦ってる。。。
そんなにやってない。。。

■薬剤 平成25年度試験①

ADMEと相互作用らへん。全50問のうち、とりあえず10問。

過去問 問1

薬物の吸収に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. 受動拡散による薬物の膜透過速度は、膜の厚さに比例する。
      →膜の厚さに反比例する。
  2. 促進拡散による薬物の輸送はエネルギーを必要としない。
  3. 一次性能動輸送は、ATPを間接的に利用する輸送系である。
      →直接的に利用する輸送系。
  4. 膜動輸送は、タンパク質などの高分子量の物質の輸送には関与しない。
      →低分子〜高分子の輸送に関与する。
  5. 能動輸送による薬物の膜透過速度は、ミカエリスメンテンの式に従う。

過去問 問2

薬物の吸収に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. 弱塩基性薬物は、pKaが小さいほど小腸での吸収効率が高い。
  2. 小腸での薬物吸収は、pH分配仮説に従う
      →(※補足:古典的な)pH分配仮説には従わない。…ちょっといじわる。
  3. グルコースやジペプチドは、プロトン勾配を利用した輸送体で細胞内に取り込まれる。
      →グルコースはナトリウム勾配を利用した輸送体。
  4. セファレキシンは、ペプチド輸送体により輸送される。
  5. カプトプリルは、ナトリウム勾配を利用して小腸上皮細胞に取り込まれる。
      →プロトン勾配を利用して取り込まれる。

過去問 問3

薬物の体内動態に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. 分子量5000以上の薬物を静脈内投与すると、一部はリンパ管に移行する
      →静脈内投与では薬物はリンパ管に移行しない。
  2. リボフラビンは、胃内容物排出速度が遅いほど小腸での吸収が増加する。
  3. アセトアミノフェンの小腸での吸収は、メトクロプラミドとの併用で低下する。
      →受動拡散で吸収されるので、GERが上昇すると吸収は増加する。
  4. 小腸上皮細胞膜透過速度が遅い薬物ほど、非撹拌水層の影響が大きい
      →「膜透過速度が遅い=脂溶性が低い」ので、水層は容易に通過する。
  5. 脂溶性が高い薬物ほど、非撹拌水層透過速度は遅い。

過去問 問4

アルブミン分子上に1つだけ結合部位をもつ薬物Aの結合定数を求めるために、平衡透析法による実験を行った。
半透膜内のアルブミン濃度を0.6mmol/L、外液中の薬物Aの濃度を0.6mmol/Lとし、しばらく外液を撹拌しながら定常状態になるまで放置したところ、外液中の薬物Aの濃度が0.2mmol/Lとなった。
薬物Aの結合定数として正しいものはどれか。1つ選べ。
ただし、内液と外液の容積は同じで、薬物やアルブミンの容器や半透膜への吸着はないものとする。
  1. 0.2 mmol / L-1
  2. 1.0 mmol / L-1
  3. 2.0 mmol / L-1
  4. 2.5 mmol / L-1
  5. 5.0 mmol / L-1
内液と外液の薬物濃度は等しくなるので0.2mmol/Lとなり、結合型薬物濃度は0.6-(0.2+0.2)=0.2となる。※元々の薬物濃度-(内液薬物濃度+外液薬物濃度)=結合型薬物濃度
結合部位数は1なので結合型アルブミンの濃度も0.2。遊離型アルブミン濃度は0.6-0.2=0.4。
これらの情報から結合定数Kを求める。
結合定数K
= 結合型薬物濃度/(非結合型薬物濃度×遊離型アルブミン濃度)
= 0.2 / (0.2 × 0.4)
= 2.5 mmol/L-1となる

過去問 問5

薬物代謝に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. ヒトの肝臓内において最も存在量が多い分子種はCYP3A4である。
  2. CYPには多数の分子種が存在し、基質特異性が高い
      →基質特異性は低い。
  3. CYPは細胞の小胞体に多く存在し、薬物の加水分解反応に関与する。
      →CYPは酸化反応に関与する。
  4. CYP2C19には遺伝的多型が存在し、白人より日本人の方がpoor metabolizer(PM)の割合が低い
      →CYP2C19では日本人のPMの割合は約20%で欧米人よりも多い。
  5. 肝臓の小胞体では酸化、還元、加水分解、抱合の全てが行われる。

過去問 問6

薬物の分布に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。
  1. 血液脳関門は、脳毛細血管内皮細胞の密着結合により形成され、その内皮構造は連続内皮に分類される。
  2. 血液から脳脊髄液への薬物移行は、脳毛細血管の密着結合により制限されている。
      →脳脊髄液関門は、脈絡叢上皮細胞の密着結合により形成されている。
  3. 血液胎盤関門での薬物の移行は、一般に受動拡散であり、脂溶性の高い薬物ほど移行しやすい。
  4. シクロスポリンは、脳毛細血管内皮細胞の組織側に発現しているP糖タンパク質により血中へ排出される。
      →P糖タンパク質は、組織側ではなく脳毛細血管内皮細胞の血管側に存在する。
  5. 生体にとって必須栄養素となるグルコースやアミノ酸は、水溶性が高いにも関わらず、受動拡散により血中から脳へ効率よく取り込まれる。
      →グルコースやアミノ酸は担体輸送によって脳へと取り込まれる。

過去問 問7

薬物の代謝に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. イソニアジドのN-アセチル転移酵素による代謝能は白人の方が高い
      →日本人の90%以上にNAT2の遺伝的多型が見られ、Rapid Acetylatorである。
  2. アロプリノールとテオフィリンを併用すると、テオフィリンの作用が増強されることがある。
  3. オメプラゾールは、細胞の核内レセプターに結合して代謝反応を阻害する。
      →オメプラゾールはCYPのヘム鉄に結合して代謝を阻害する。核内レセプターに結合してCYPを誘導するのはリファンピシンやフェニトイン、フェノバルビタールなど。
  4. CYPを誘導する薬物の中には、誘導と阻害の両方を行うものがある。
  5. ワルファリンとフェノバルビタールを併用すると、出血傾向が強くなる場合がある。
      →フェノバルビタールによりCYP3A4が誘導され、ワルファリンの作用が減弱する。

過去問 問8

薬物の排泄に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. サリチル酸は、尿pHの上昇により再吸収速度が速くなる
      →尿pHの上昇により、イオン型濃度が上昇し、再吸収速度が遅くなる。
  2. p-アミノ馬尿酸は、血漿中濃度が高くなると腎クリアランスが低下する。
  3. ジゴキシンの血中半減期は、キニジンとの併用により延長する。
  4. イヌリンの血漿中濃度が増加すれば、腎クリアランスは増大する
      →イヌリンは糸球体濾過のみによって排泄されるため、血漿中濃度に関わらず腎クリアランスは一定である。
  5. クレアチニンは腎臓で合成され、糸球体濾過のみにより尿中に排泄される。
      →クレアチニンは筋肉で合成される。

過去問 問9

薬物動態学的相互作用に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. プロパンテリンはジゴキシンの小腸での吸収を促進する。
  2. カルバマゼピンはCYP3A4を誘導し、CYP3A4で代謝される薬物の全身クリアランスを低下させる。
      →CYP3A4を誘導して、全身クリアランスを上昇させる。
  3. ワルファリンとインドメタシンを併用すると、出血傾向が強くなることがある。
  4. コレスチラミンは陰イオン性樹脂のため、小腸での塩基性薬物の吸収を阻害する。
      →コレスチラミンは強塩基の陰イオン交換樹脂で、酸性薬物の吸収を阻害する。
  5. 鉄剤は、レボフロキサシンの消化管吸収を促進させる。
      →鉄剤はレボフロキサシンとキレートを形成して吸収を阻害する。

過去問 問10

薬物動態学的相互作用に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. メトクロプラミドは、リボフラビンの消化管吸収を促進する。
      →GERを上昇させ、リボフラビンの吸収が低下する。(トランスポーターの飽和による。)
  2. アロプリノールは、メルカプトプリンの骨髄抑制作用を減弱させる。
      →メルカプトプリンの代謝酵素(キサンチンオキシダーゼ)を阻害し、骨髄抑制作用を増強させる。
  3. CYP3A4を誘導する薬物の中には、P糖タンパク質を誘導するものもある。
  4. 喫煙は、テオフィリンの代謝を亢進させ、作用を減弱させることがある。
  5. オメプラゾールは、フェニトインの作用を減弱させることがある。
      →オメプラゾールは、CYPを阻害しフェニトインの作用を増強する。

続く…かも。

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