第100回薬剤師国家試験まであと106日
薬剤師の知り合いに「私も受験の時は夏くらいから1日10時間やったわ」って言われて焦ってる。。。
そんなにやってない。。。
■薬剤 平成25年度試験①
ADMEと相互作用らへん。全50問のうち、とりあえず10問。
過去問 問1
薬物の吸収に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- 受動拡散による薬物の膜透過速度は、膜の厚さに比例する。
→膜の厚さに反比例する。 - 促進拡散による薬物の輸送はエネルギーを必要としない。
- 一次性能動輸送は、ATPを間接的に利用する輸送系である。
→直接的に利用する輸送系。 - 膜動輸送は、タンパク質などの高分子量の物質の輸送には関与しない。
→低分子〜高分子の輸送に関与する。 - 能動輸送による薬物の膜透過速度は、ミカエリスメンテンの式に従う。
過去問 問2
薬物の吸収に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- 弱塩基性薬物は、pKaが小さいほど小腸での吸収効率が高い。
- 小腸での薬物吸収は、pH分配仮説に従う。
→(※補足:古典的な)pH分配仮説には従わない。…ちょっといじわる。 - グルコースやジペプチドは、プロトン勾配を利用した輸送体で細胞内に取り込まれる。
→グルコースはナトリウム勾配を利用した輸送体。 - セファレキシンは、ペプチド輸送体により輸送される。
- カプトプリルは、ナトリウム勾配を利用して小腸上皮細胞に取り込まれる。
→プロトン勾配を利用して取り込まれる。
過去問 問3
薬物の体内動態に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- 分子量5000以上の薬物を静脈内投与すると、一部はリンパ管に移行する。
→静脈内投与では薬物はリンパ管に移行しない。 - リボフラビンは、胃内容物排出速度が遅いほど小腸での吸収が増加する。
- アセトアミノフェンの小腸での吸収は、メトクロプラミドとの併用で低下する。
→受動拡散で吸収されるので、GERが上昇すると吸収は増加する。 - 小腸上皮細胞膜透過速度が遅い薬物ほど、非撹拌水層の影響が大きい。
→「膜透過速度が遅い=脂溶性が低い」ので、水層は容易に通過する。 - 脂溶性が高い薬物ほど、非撹拌水層透過速度は遅い。
過去問 問4
アルブミン分子上に1つだけ結合部位をもつ薬物Aの結合定数を求めるために、平衡透析法による実験を行った。半透膜内のアルブミン濃度を0.6mmol/L、外液中の薬物Aの濃度を0.6mmol/Lとし、しばらく外液を撹拌しながら定常状態になるまで放置したところ、外液中の薬物Aの濃度が0.2mmol/Lとなった。
薬物Aの結合定数として正しいものはどれか。1つ選べ。
ただし、内液と外液の容積は同じで、薬物やアルブミンの容器や半透膜への吸着はないものとする。
- 0.2 mmol / L-1
- 1.0 mmol / L-1
- 2.0 mmol / L-1
- 2.5 mmol / L-1
- 5.0 mmol / L-1
結合部位数は1なので結合型アルブミンの濃度も0.2。遊離型アルブミン濃度は0.6-0.2=0.4。
これらの情報から結合定数Kを求める。
結合定数K
= 結合型薬物濃度/(非結合型薬物濃度×遊離型アルブミン濃度)
= 0.2 / (0.2 × 0.4)
= 2.5 mmol/L-1となる
過去問 問5
薬物代謝に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- ヒトの肝臓内において最も存在量が多い分子種はCYP3A4である。
- CYPには多数の分子種が存在し、基質特異性が高い。
→基質特異性は低い。 - CYPは細胞の小胞体に多く存在し、薬物の加水分解反応に関与する。
→CYPは酸化反応に関与する。 - CYP2C19には遺伝的多型が存在し、白人より日本人の方がpoor metabolizer(PM)の割合が低い。
→CYP2C19では日本人のPMの割合は約20%で欧米人よりも多い。 - 肝臓の小胞体では酸化、還元、加水分解、抱合の全てが行われる。
過去問 問6
薬物の分布に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- 血液脳関門は、脳毛細血管内皮細胞の密着結合により形成され、その内皮構造は連続内皮に分類される。
- 血液から脳脊髄液への薬物移行は、脳毛細血管の密着結合により制限されている。
→脳脊髄液関門は、脈絡叢上皮細胞の密着結合により形成されている。 - 血液胎盤関門での薬物の移行は、一般に受動拡散であり、脂溶性の高い薬物ほど移行しやすい。
- シクロスポリンは、脳毛細血管内皮細胞の組織側に発現しているP糖タンパク質により血中へ排出される。
→P糖タンパク質は、組織側ではなく脳毛細血管内皮細胞の血管側に存在する。 - 生体にとって必須栄養素となるグルコースやアミノ酸は、水溶性が高いにも関わらず、受動拡散により血中から脳へ効率よく取り込まれる。
→グルコースやアミノ酸は担体輸送によって脳へと取り込まれる。
過去問 問7
薬物の代謝に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- イソニアジドのN-アセチル転移酵素による代謝能は白人の方が高い。
→日本人の90%以上にNAT2の遺伝的多型が見られ、Rapid Acetylatorである。 - アロプリノールとテオフィリンを併用すると、テオフィリンの作用が増強されることがある。
- オメプラゾールは、細胞の核内レセプターに結合して代謝反応を阻害する。
→オメプラゾールはCYPのヘム鉄に結合して代謝を阻害する。核内レセプターに結合してCYPを誘導するのはリファンピシンやフェニトイン、フェノバルビタールなど。 - CYPを誘導する薬物の中には、誘導と阻害の両方を行うものがある。
- ワルファリンとフェノバルビタールを併用すると、出血傾向が強くなる場合がある。
→フェノバルビタールによりCYP3A4が誘導され、ワルファリンの作用が減弱する。
過去問 問8
薬物の排泄に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- サリチル酸は、尿pHの上昇により再吸収速度が速くなる。
→尿pHの上昇により、イオン型濃度が上昇し、再吸収速度が遅くなる。 - p-アミノ馬尿酸は、血漿中濃度が高くなると腎クリアランスが低下する。
- ジゴキシンの血中半減期は、キニジンとの併用により延長する。
- イヌリンの血漿中濃度が増加すれば、腎クリアランスは増大する。
→イヌリンは糸球体濾過のみによって排泄されるため、血漿中濃度に関わらず腎クリアランスは一定である。 - クレアチニンは腎臓で合成され、糸球体濾過のみにより尿中に排泄される。
→クレアチニンは筋肉で合成される。
過去問 問9
薬物動態学的相互作用に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- プロパンテリンはジゴキシンの小腸での吸収を促進する。
- カルバマゼピンはCYP3A4を誘導し、CYP3A4で代謝される薬物の全身クリアランスを低下させる。
→CYP3A4を誘導して、全身クリアランスを上昇させる。 - ワルファリンとインドメタシンを併用すると、出血傾向が強くなることがある。
- コレスチラミンは陰イオン性樹脂のため、小腸での塩基性薬物の吸収を阻害する。
→コレスチラミンは強塩基の陰イオン交換樹脂で、酸性薬物の吸収を阻害する。 - 鉄剤は、レボフロキサシンの消化管吸収を促進させる。
→鉄剤はレボフロキサシンとキレートを形成して吸収を阻害する。
過去問 問10
薬物動態学的相互作用に関する記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。- メトクロプラミドは、リボフラビンの消化管吸収を促進する。
→GERを上昇させ、リボフラビンの吸収が低下する。(トランスポーターの飽和による。) - アロプリノールは、メルカプトプリンの骨髄抑制作用を減弱させる。
→メルカプトプリンの代謝酵素(キサンチンオキシダーゼ)を阻害し、骨髄抑制作用を増強させる。 - CYP3A4を誘導する薬物の中には、P糖タンパク質を誘導するものもある。
- 喫煙は、テオフィリンの代謝を亢進させ、作用を減弱させることがある。
- オメプラゾールは、フェニトインの作用を減弱させることがある。
→オメプラゾールは、CYPを阻害しフェニトインの作用を増強する。
続く…かも。
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